土地活用といえば、建物を建築して賃貸運営をする・・・もしくは駐車場経営をする・・・などが思い浮かぶと思います。でも、実は「土地信託」という土地活用方法もあり、一般的にはそこまで有名ではありません。

 

というのも、昔は土地をたくさん所有している富裕層がメインで活用していたため、あまりメジャーではなかったのです。しかし、最近では広く一般的に利用されているので、土地活用を検討している人は選択肢の1つに入れてみてはいかがでしょうか。今回は、そんな土地信託について詳しく解説していきます。

 

 

土地信託とは?

 

土地信託とは、信託銀行などに自分の土地を預け、その土地の運用をプロに任せることです。プロが土地を運用して得た利益を還元してもらうことで、土地所有者は収益を上げるという仕組みになります。

 

信託先の銀行や会社は、その土地に合った土地活用を行い収益を上げます。アパート建築をすることもあるでしょうし、駐車場兼戸建賃貸として運用する場合もあるでしょう。そのため、運用に失敗することで収益を上げられなければ、土地の所有者も収益を上げられないということになります。

 

 

土地信託のメリットは?

 

そんな土地信託のメリットは以下の点です。
・面倒な手間がかからない
・借入がないので低リスク
・所有権は維持している
・借主と関係性を持たない
・土地を効率的に経営できる

 

上記のメリットは、ほかの土地活用と異なる点も多く、逆にいうとそれが土地信託の特徴といえるでしょう。

 

 

面倒な手間がかからない

 

土地信託以外の土地活用には、アパートやマンション経営、駐車場経営、借地として運用するなどの方法があります。特に、建物を建築する場合には所有者が資金調達をしたり、不動産業者の選定をしたりと手間がかかります。

 

もっというと、間取りの選定や設備・仕様の選定、賃借人と契約を結ぶかの判断など、土地所有者が判断すべきことが多いです。土地信託はそれら全てを信託銀行や会社に任せられるので、手間がかからない点がメリットになります。

 

 

借入がないので低リスク

 

前項のように、土地信託の場合には土地所有者が借入をするわけではありません。たとえば、アパート経営をするときに、7,000万円の借り入れを、年利3.0%、借入期間22年という条件で行ったとしましょう。

 

この条件だと、以下の支払い額になります。
・月々返済額:362,520円
・総支払額:95,707,009円

 

当然、アパート経営していることによる家賃収入はありますが、やはり上記のローンを組むことはリスクといえます。そのリスクがない点も土地信託のメリットといえます。

 

 

所有権は維持している

 

土地信託は、信託先に土地の利用権を与えているだけに過ぎません。そのため、土地の所有権自体はそのまま残ります。たとえば、借地として運用し、仮に「定期借地権」という期限が到達すれば必ず返還される契約でも、50年など超長期間は手元に戻ってきません。

 

土地信託も信託期間を設定して契約を結びますが、それでも定期借地権ほどは長期の契約にならないのです。その点も土地信託のメリットといえます。

 

 

借主と関係性を持たない

 

仮に、土地信託で賃貸経営をしたとしても、借主と賃貸経営を結ぶのは信託先の銀行や会社です。賃貸借契約は借地借家法といわれる「借主に有利」な法律に守られているので、土地所有者は不利な立場になります。

 

たとえば、家賃を滞納しているのにも関わらず、強制的に退去させるのは難しいです。また、土地所有者が建て替えたいので立ち退きを要請しても、簡単に立ち退かせることはできません。つまり、借主の権利が強く、土地所有者の意志だけではどうにもならないことが多いのです。

 

賃貸借契約を直接結ばない土地信託は、その辺りの煩わしさがないという点はメリットといえます。これは、トラブルが少ないというメリットにもつながる点です。

 

 

土地を効率的に経営できる

 

土地を信託する先である信託銀行や信託会社は、数多くの土地活用をしてきた実績があります。いわば「土地活用のプロ集団」であり、どのような活用法・運営をすれば収益を上げられるか?というノウハウが豊富にあります。また、関係会社とのパイプも太いでしょう。

 

自分で土地活用を行うと、不動産会社からアドバイスはもらえますが、自分の経験に基づいた判断ではありません。その点、土地信託の場合は自社のノウハウをフルに活かして土地活用できるので、収益を上げやすいというわけです。

 

 

土地信託のデメリットとリスク

 

一方、土地信託には以下のデメリットとリスクもあります。
・全ての物件で活用できるとは限らない
・信託手数料がかかる
・自分で運用するよりも収益性は低い
・信託期間中は売却不可
・土地活用のノウハウが身につかない

 

この中で、特に収益性と手数料に関しては土地信託の大きなデメリットなので、その点を良く理解しておきましょう。

 

 

全ての物件で活用できるとは限らない

 

土地信託は全ての物件で活用できるわけではありません。というのも、信託先の銀行や会社は土地活用をして収益を上げる責任があるからです。収益を上げなければ、信託先も赤字になってしまうので商売にならないのです。

 

そのため、信託先が「この土地では収益を上げにくい」と判断すれば、土地信託の契約は締結しないこともあります。たとえば、あまりに立地が悪い土地や、土地の形状が歪な土地などは、信託契約を結んでくれない可能性が高まります。

 

 

信託手数料がかかる

 

土地信託の場合、信託銀行や会社に支払う手数料(信託報酬)がかかります。信託手数料は信託先によって異なりますし、土地によっても異なります。信託先が収益を上げやすいと判断すれば手数料は安くなりますし、逆であれば手数料は高くなります。この辺りは銀行の融資金利と似ていますね。

 

そのため、手数料も5%~20%と幅広く設定されており、場合によっては土地所有者の大きな負担になり、手数料を支払うことで結果的に赤字になることもあります。

 

 

自分で運用するよりも収益性は低い

 

前項のように、土地所有者は手数料を支払う必要があるので、一定の支出が発生するということです。仮に、土地信託をして信託先がアパート経営をしたとします。それを信託先に任せずに自分で行えば、手数料分の支出がなくなり収益性が高くなるのです。

 

そのため、土地信託を活用すると自分で運用するよりも収益性は低くなります。ただ、それは自分で運営して成功しているという前提です。上述したように、土地信託はプロが運営するので、運営に成功する確率は土地信託の方が上でしょう。

 

 

信託期間中は売却不可

 

信託しているときでも土地の所有権は維持していますが、その期間中は基本的に売却は不可能です。もちろん、自分の意志で用途変更することもできません。

 

信託先も土地活用をする際は長期スパンで考えますので、10年単位の期間は信託するものと思っておきましょう。その期間が満了するまでは、売却も用途変更も基本的にはできません。

 

 

土地活用のノウハウが身につかない

 

土地信託をしている以上、土地の所有者が何か判断することはありません。そもそも、どのような活用方法にするか?すら考えることはなく、その後の運用も基本的には任せっぱなしです。そのため、土地活用に関するノウハウが身につかない点はデメリットといえるでしょう。

 

 

まとめ

 

このように、土地活用には土地信託という方法があり、それぞれメリット・デメリットがあります。大きなメリットは、やはりプロに土地活用を一任出来る点でしょう。それによって、運用に成功する確率は上がりますし、何よりも楽です。

 

一方、信託手数料がかかる点や、ノウハウが身につかない点はデメリットです。メリット・デメリットを天秤にかけ、土地信託を選択すべきかを判断しましょう。